施設の特徴として高度な併存疾患を有する患者さんも多いため、麻酔科、心臓内科、腎臓・高血圧内科などにコンサルトを行い安全な治療を行えるよう心掛けています。
来院時、搬送時の状態で手術適応を決定します。当然のことながら腹部所見、バイタルは重要な要素ですが、CTにより腹水量を推定し客観的な指標としています。
早期胃癌に対し腹腔鏡補助下幽門側手術を行っていましたが、適応を少しずつ広げておりT2胃癌や、胃全摘にも腹腔鏡下手術を行っています。T3以上の進行胃癌では開腹による切除を原則としていますが、予後が不良とされる4型進行胃癌などに対しては術前化学療法を行なっております。切除不能・再発胃癌に対しては集学的治療の一環としての姑息手術、減量手術などの観血的治療や抗癌剤治療などの選択肢の中から、最適な治療法を単独あるいは組み合わせて行っています。またがん集学的治療研究財団の臨床試験「治癒切除不能な進行・再発胃癌症例におけるHER2の検討 -観察研究-」に参加しHER2が陽性かを正確に診断しています。現在、この試験は登録終了となっていますが、70歳未満のHER2陽性例には積極的にXP+ハーセプチンを施行しています。その他の根治切除不能胃癌に対する標準レジメンは、S-1+シスプラチン療法ですが、高齢者に対する安全性、有効性が確立されておらず、当科で計画した「高齢者における切除不能進行胃癌に対するS-1+レンチナン併用療法の第II相試験」のような新たな試みも行っています。
05年度 | 06年度 | 07年度 | 08年度 | 09年度 | 10年度 | 11年度 | |
症例数 | 104 | 97 | 103 | 127 | 101 | 96 | 104 |
2005年4月から2007年4月の当科での手術例の成績
胃癌化学療法