遺伝性のがんについて

遺伝性のがんについて

　がんは、日々の生活におけるさまざまな要因（環境・生活習慣・嗜好・化学物質や紫外線などによる刺激、等）により、細胞内の遺伝子が変化することによって生じることが一般的で、親御さんのがん（腫瘍）がお子様やその子孫に生じる、つまり「遺伝」することはありません。

一方で、人の体質はその子孫に一定の可能性で遺伝しますので、さまざまな体質の一つとして、「がんになりやすい体質」も遺伝子を介して一緒に子孫に遺伝することがあります。このように特定の遺伝子が遺伝することが発がんに寄与する場合を「遺伝性のがん」といいます。

「遺伝性のがん」は、がんの種類によって異なりますが、代表的ながん腫である大腸がんの場合では、約５％は「遺伝性のがん」であることされております。

罹患した（発症した）がんが、「遺伝性のがん」であるかは、専門的な検査が必要となりますが、家族・血縁者の方に以下のような特徴がある場合は「遺伝性のがん」である可能性があります。

• 若くして大腸がんに罹患した方がいる（本人も含む）
• 何回もがんに罹患した方がいる
• 共通して特定のがんを罹患している

当科では、手術を含む治療受けていらっしゃる患者様に対して、カンファレンス等で「遺伝性のがん」の可能性ついて随時検討を行ない、その診断から治療まで対応しており、全国から患者様のご相談を受けております。また、専門医・遺伝カウンセラーによる「遺伝性のがん」に関わるご相談やカウンセリングも承りますのでお気軽にご連絡ください。